Photo | ©Tourism and Events Queensland
青く透き通る海に囲まれ、広大な国土が果てしなく広がるオーストラリア。初めてオーストラリアを訪れた時にまず気付くことは、オーストラリア人以外にも多国籍の人々が多く暮らしているということではないでしょうか。ヨーロッパやアジアをはじめ、中東や南米など多岐に渡る国からの移民も多く、それぞれがお互いの国や文化に対して理解と敬意を持っています。国土は日本の20倍と壮大ながら、人口は約1/6の2,500万人ほど。このうち、その約1/4が海外からの移民で占められているオーストラリアでは、外国人は決して珍しい存在ではありません。
幼児期の子どもたちが通うアーリーラーニングセンターやチャイルドケアセンターにおいても、多国籍な先生や子どもたちが多く在籍しており、異なる母国語や文化、考え方を持つ周囲の人々と日常的に触れ合うことが少なくありません。また、オーストラリアの先住民であるアボリジニの文化を含めて、異なる価値観を積極的にリスペクトしようとする姿勢が国として浸透していますので、日本から訪れる親御様や子どもたちもすんなりと現地に順応し、日頃通っている幼稚園や保育園との違いを感じることができるのではないでしょうか。
日本ではあまり馴染みのないことかもしれませんが、オーストラリアでは街中のカフェやバス停、スーパーのレジに並ぶ時などに周囲の人々が気さくに話しかけてきます。「今日は天気いいね!」「どこへ行くの?」初めは少し戸惑うかもしれませんが、異国の地で英語がうまく話せなくても、決して不安を感じる必要はありません。頑張って伝えようとする姿勢があれば、相手も理解をしようとしっかりと耳を傾けてくれます。子どもたちの個性や自分の意見を述べることの大切さを教わるオーストラリアの幼児教育。もしかすると、それらが人々の寛大さや異文化への理解を育む土台になっているのかもしれません。
海外渡航が初めての方やまだ幼い子どもたちを持つご家庭にも、治安が良く、生活の利便性も高いオーストラリアなら、戸惑うことなくご満喫頂けることと思います。一度現地を訪れてみれば、コアラやカンガルーたちだけでなく、そこに住む人々がいかにリラックスしながら日々の生活をエンジョイしているかがわかるはずです。それだけではなく、実はオーストラリアは英語圏において世界有数の教育システムを持ち、あらゆる年代の子どもたちの留学先としても常に高い人気を誇っています。では、そんなオーストラリアの魅力を順番にご紹介させて頂きたいと思います。
国際色溢れるインターナショナルな環境
オーストラリアと聞いて、どんなイメージをお持ちでしょうか?コアラやカンガルーなど、他では出会えない希少な野生動物たちはもちろん、美しい珊瑚礁で知られるグレートバリアリーフ、シドニーのオペラハウスをはじめとした世界的なモニュメントまで、ここでしか味わえない、たくさんの魅力が詰まった南半球が誇る広大な大陸国、それがオーストラリアなのです。
オーストラリアでは歴史的に農業や鉱山業、サービス業などを中心とした産業が長年に渡り経済の成長を牽引してきました。こうした安定した経済基盤を持ちながら、フレンドリーで陽気なオーストラリアの人々は豊かな大自然と都会性の両方を兼ね備えた環境での生活を日々満喫しています。
観光客にも特に人気の高いシドニーやメルボルンなどの国際的な大都市では、個性豊かなバーやレストラン、そして世界的にも高い評価を得ているギャラリーやミュージアム、ミュージカルなどの文化的な見所も多く、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)の視点からも高い注目を浴びています。
また、子どもたちや親御様にとって、オーストラリアでの異文化体験が魅力的な理由はいくつもありますが、手頃な予算での訪問や滞在が可能なことや高いQOLを体験できることは、大きなメリットと言えるでしょう。
QOLの観点から見れば、オーストラリアは世界で上位30ヶ国に入る都市を5つも有しています。加えて、ブリスベンやゴールドコーストなどオーストラリアの東海岸地域は、日本を含む東アジア諸国との時差もわずか1、2時間程のため、ヨーロッパやアメリカなどに比べても比較的容易に子どもたちが現地の生活に順応することが可能です。
国際的に競争優位な幼児教育システム
幼児教育関連に充当される子ども一人当たりの公的資金額について比較してみると、OECD諸国の中でもオーストラリアは上位4番目にランクされます。これは主に、一人の先生が受け持つ子どもたちの数が他国よりも少人数に設定されていることが主な理由と言えます。OECDが調査した“Starting Strong 2017”レポートによると、中国やフランスでは幼稚園の先生が1人あたり20名以上の子どもたちを受け持つことが認められている一方、オーストラリアでは法律で10名以下に制限されています。
またこの調査によると、幼児期の教育や保育は子どもたちの認知スキルや社会情緒スキルの発達にも大きく寄与していると述べられています。これらは世代を越えて引き継がれていくSocial Mobility(親の職業や収入が、子どもの教育や将来の職業、収入等の社会的地位などにどれだけ影響を及ぼすかという指標)の向上や生涯に渡る学力の基礎を形成するためにも大変効果的であることが明らかになっています。(引用:https://www.acecqa.gov.au/nqf/national-quality-standard)
オーストラリアの幼稚園では、政府が定めるNational Quality Frameworkに準拠して、高水準の幼児教育サービスを提供することが義務付けられています。では、子どもたちにとってこれらのフレームワークや取り組みは、果たしてどんな意味を持つのでしょうか?
まず注目すべきことは、オーストラリアの幼稚園に通う子どもたちは、体型的な知識とスキルを身につけ熟練した先生やスタッフによる、よりパーソナルでクオリティの高い幼児教育サービスを受けることができるということです。National Quality Standardsによって厳格に管理され、教育分野の各エキスパートが作成した教育プログラムを体験することができるのです。それだけではなく、何よりも重要なことは幼児年代の子どもたちが実際にオーストラリア異文化体験をすることで、楽しく英語を学べるだけではなく、生涯に渡って記憶に残るような、刺激的で貴重な経験ができるということです。
また、幼児年代の子どもたちのみならず、オーストラリアは英語圏での留学先としてアメリカやイギリスに次ぐ世界でも3番目の人気を誇る教育大国です。世界でも有数の高水準な教育システムを持つオーストラリアには、トップレベルの大学が35校も存在しており、"World University Rankings 2018."によれば、その内の8つがトップ100に君臨しています。
欧米諸国よりも経済的な生活コスト
Global Wealth Reportの調査によると、1世帯当たりの裕福度はオーストラリアはスイスに次いで世界で2番目にランクしており、生活コストや授業料についても、イギリスやアメリカなど他の英語圏の国と比較して、大幅に低いことが明らかになっています。また、オーストラリアには親同士のコミュニティや子どもを持つ家庭を支援するための組織も数多く存在し、異国の地で新しく生活を始めようとする人々にとっては、心強いサポートを得ることができます。州によっても異なりますが、原則15歳以上の子どもたちなら、勉強に打ち込みながらパートタイムで仕事をして生活費を得ることも可能です。その他にもオーストラリア政府や大学が提供している、年間2億ドル相当にものぼる奨学金プログラムを利用して、留学費用を賄うことも選択肢の一つです。
幼児の脳の発達に有効な英語学習
母国語以外の言語を学ぶことは、実は脳にも大きなメリットがあることをご存知でしょうか?エジンバラ大学の教授で心理学や哲学、言語科学の研究を行っているDr. Thomas Bakによる研究結果では、バイリンガルと呼ばれる二言語を習得した成人において、一言語のみを話す成人よりも認知テストの結果に優位な結果が見られ、高い集中力を発揮できる傾向にあることが分かっています。さらにバイリンガルの人々の方が、物事を理解し、判断するための認知スキルが低下しづらい傾向にあることも同教授による研究から判明しています。
異国の地で、小さな子どもたちに異文化体験をさせることに不安を感じられる親御様も少なくないかもしれません。ですが、長期的な視点で捉えれば、彼らにとってこの体験は異言語の習得以上に、遥かに大きな価値をもたらし得るという点も、ぜひご理解頂ければと思います。
子どもたちはみんな、オーストラリアが大好き
政府による統計では、”約9割の留学経験者がオーストラリアでの体験に満足している”という結果が出ています。主な調査結果は次の通りです。
87%の留学経験者が「オーストラリアでの体験全般」について”非常に満足している”、または”満足している”と回答。
86%の留学経験者が「オーストラリアでの学習」について”非常に満足している”、または”満足している”と回答。
88%の留学経験者が「オーストラリアでの生活」について”非常に満足している”、または”満足している”と回答。
我々が提供している体験入園プログラム「HelloKids」をご利用頂ければ、親御様ご自身も日常の喧騒から少しの間離れ、オーストラリア各地の観光や英語学習、ボランティア活動やその他のアクティビティなど、ご自身の時間をリラックスしながら満喫頂くための機会を得ることができます。
さて、様々な国の人々との異文化交流や高水準の教育体験を得るために、いかにオーストラリアが魅力的な場所であるかご理解頂けたでしょうか?幼児年代の子どもたちにとっては、これらの体験が生涯にわたる長期的なメリットを育むものであると、私たちは考えています。
目 次
国際色溢れるインターナショナルな環境
国際的に競争優位な幼児教育システム
欧米諸国よりも経済的な生活コスト
幼児の脳の発達に有効な英語学習
子どもたちはみんなオーストラリアが大好き
クリエイティビティが向上する
自己肯定感が高まる
新しいスキルが身に付く
日本への感謝の想いが深まる
「褒めた理由を伝える」
「リスクをとらせる」
「子ども自身に判断をさせる」
「お手伝いをさせる」
「子どもの好奇心を解放する」
チェックリスト
日本と西洋の子供たちとの比較
高まる”遊びと幼児教育”の重要性
「2035年」の世界で求められるもの
オーストラリアの幼児教育が注目されている理由
政府による教育・サービス品質の確保
幼児教育制度の発展とNQFについて
子どものアイデンティティ形成に重要な「帰属・存在・生成」
政府によるチャイルドケアサポート
日本の幼稚園・保育園との違い
子どもの個性とチャレンジを大切にするアプローチ
オーストラリアの幼稚園や保育園の仕組み
その他のチャイルドケアサービスの種類
オーストラリアの義務教育・高等教育
年代別の教育制度と義務教育について
プライマリースクール(小学校)が始まるタイミングは?
National Quality Standard
① NQSを構成する7つの領域
② 評価制度と品質の格付け
③ 各Quality Areaについて
EYLF(Early Years Learning Framework)
① EYLFとは
② 中心となるコンセプト
③ フレームワークの構成要素
④ 5つの原則
⑤ 実践プロセス
⑥ 期待される学習成果
Certificate Ⅲ(概要)
① 概要
② 学習コースへの参加要件
③ コースに含まれる学習項目
Diploma(概要)
① 概要
② 学習コースへの参加要件
③ コースに含まれる学習項目
オーストラリアにおけるチャイルドケア事業発展の背景
① 社会インフラとして位置付けられたチャイルドケア事業
投資観点から見るチャイルドケア事業
① チャイルドケア事業の概要
② 投資家がチャイルドケア事業買収へ投融資を行った際の投資フロー
③ オーストラリアにおけるリース担保事情
④ 買収資金貸付、担保設定、利息支払いフロー
⑤ チャイルドケア事業買収契約と譲渡のフロー
⑥ チャイルドケア事業に関わるメンバープロファイル
⑦ 運営中のチャイルドケア事業のご紹介
⑧ チャイルドケア事業の主なリスク
業界の現状と今後の見通し
① チャイルドケアビジネスの現状
② 市場に影響を与え得る主な外部要因
③ 業界における企業形態
④ 需要の決定要因
⑤ ビジネスを成功させるためのポイント
⑥ 業界の今後の動向
Play & Learnとは
Play& Learnの教育アプローチとその適用事例
レッジョ・エミリア・アプローチの特徴
レッジョ・エミリア・アプローチの哲学
オーストラリアのレッジョ・エミリア
レッジョ・エミリアで用いられる原則とその適用事例
THRASSとは
THRASSの有効性とその適用事例
親子留学プログラム「Hello Kids」
「Hello Kids」とは
現地センターのご紹介
センターでの1日の過ごし方
先生の子どもへの接し方に関する日本との違い
コレクティブな遊びと学び
現地でのおすすめアクティビティ
Triple Pとは?
ポジティブな子育てのための5つのステップ