THRASSとは
THRASSとは、読み書きのスキルを指導するために用いられる方法のひとつで、オーストラリアやニュージーランド、イギリスなどで広く活用されています。
この「THRASS」という名称は、Teaching Handwriting, Reading And Spelling Skillsの頭文字を表しており、TSPP(THRASS Specific Pedagogical Practice)と呼ばれる独自の方法論を持っています。
THRASSは、リーディング、スペリング、ハンドライティングという主に3つの分野に分かれています。これらのスキルは相互に関連しており、学習者は44の音韻と26種類のアルファベットの関係について学ぶことができます。
THRASSの有効性
では、一体このTHRASSという学習法は、どのような場面で役に立つのでしょうか?
例えば、手で文字を書くことが苦手な子どもたちは、文字をきちんと書くこと自体に過剰に注意を払ってしまうことがあります。こうした状況においては、先生が書いた板書やワークシート、本などから文字や文章を写す時などに、単語やスペルにしっかりと集中することができなくなってしまいます。
また、読むことに苦手意識を持つ子どもたちは、教科書やプリントに書かれている内容に従うことができず、本を読むことに楽しみ覚えることができず、新たな知識を得る機会を逃してしまいがちです。
そして、綴りが苦手な子どもたちは、ディクテーション(書き取り)やフリーライティング(自由作文)で創造的な表現をすることが難しくなってしまいます。
THRASSでは、リーディング、スペリング、ハンドライティングのスキルに焦点を当てながら、手で描くという身体的な活動を通じて、アルファベットのルールへの理解を深めることができます。
子どもたちは音とアルファベットの関係を学ぶことで、話したり耳にする言葉の中から音を聞き取ったり、読み書きをする言葉の中からアルファベットを見つけ出したりすることができるようになります。
THRASSはこれまでの発音教育の業界に新たなパラダイムシフトをもたらしました。従来の「フォニック」なアプローチに比べて、読みと綴りの習得をよりシンプルに、より速く、より持続的に行うことができる学習モデルを構築しています。
英語は、文字と音の比率が1対1ではありません。英語の単語は、「音韻」と呼ばれる44個の個別の音の組み合わせで構成されています。これらの音韻は26文字のアルファベットを使って表現されます。
例えば、英語の「c」という文字は、「cat」という単語の最初に出てくる「c」の音を表す時もあれば、「city」「cent」「Cindy」などのように、「s」という音を表すこともあります。また、「f」という文字は、「photo」「Sophie」「Philip」「Phoebe」のように「ph」という文字で表現することもできます。
読み書きのスキルは、教育の基本となる能力です。単語のスペルが書けたとしても、そのプロセスを理解していなければ、その知識を使って知らない単語のスペルを書くことはできません。
数学における重要性が正しい解答を導き出すだけでなく、そのプロセス自体にもあるように、正解を導き出すための方法をしっかりと理解することは、子どもたちの将来の学習プロセスにおける認知形成においても不可欠です。
今日は私たちが行っているキンダーガーテン・スクール・準備プログラムについてご紹介したいと思います。
プレ・ライティング・スキルとは、子どもたちが文字を書く前に身につけておくべき基本的なスキルのことです。
これらのスキルは、鉛筆の持ち方や使い方、絵を描いたり、書いたり、コピーしたり、色を塗ったりする能力や認知能力の発達につながります。
このクラスでは、ビーズのひも通しや積み木、ワークシートなどを使って遊びながら楽しく学び、これらのスキルを育んでいます。
幼児期の子どもたちにスペルと発音の関係を楽しく学んでもらうためには、ちょっとした工夫とアイディアが必要です。
彼らが好きな食べ物やおもちゃ、動物などの単語を使って、それらのスペルと音の関係を分解し、説明しながら、発音の練習を行います。
こうした積み重ねにより、彼らは次第に発音のパターンを認識することができるようになるのです。
目 次
国際色溢れるインターナショナルな環境
国際的に競争優位な幼児教育システム
欧米諸国よりも経済的な生活コスト
幼児の脳の発達に有効な英語学習
子どもたちはみんなオーストラリアが大好き
クリエイティビティが向上する
自己肯定感が高まる
新しいスキルが身に付く
日本への感謝の想いが深まる
「褒めた理由を伝える」
「リスクをとらせる」
「子ども自身に判断をさせる」
「お手伝いをさせる」
「子どもの好奇心を解放する」
チェックリスト
日本と西洋の子供たちとの比較
高まる”遊びと幼児教育”の重要性
「2035年」の世界で求められるもの
オーストラリアの幼児教育が注目されている理由
政府による教育・サービス品質の確保
幼児教育制度の発展とNQFについて
子どものアイデンティティ形成に重要な「帰属・存在・生成」
政府によるチャイルドケアサポート
日本の幼稚園・保育園との違い
子どもの個性とチャレンジを大切にするアプローチ
オーストラリアの幼稚園や保育園の仕組み
その他のチャイルドケアサービスの種類
オーストラリアの義務教育・高等教育
年代別の教育制度と義務教育について
プライマリースクール(小学校)が始まるタイミングは?
National Quality Standard
① NQSを構成する7つの領域
② 評価制度と品質の格付け
③ 各Quality Areaについて
EYLF(Early Years Learning Framework)
① EYLFとは
② 中心となるコンセプト
③ フレームワークの構成要素
④ 5つの原則
⑤ 実践プロセス
⑥ 期待される学習成果
Certificate Ⅲ(概要)
① 概要
② 学習コースへの参加要件
③ コースに含まれる学習項目
Diploma(概要)
① 概要
② 学習コースへの参加要件
③ コースに含まれる学習項目
オーストラリアにおけるチャイルドケア事業発展の背景
① 社会インフラとして位置付けられたチャイルドケア事業
投資観点から見るチャイルドケア事業
① チャイルドケア事業の概要
② 投資家がチャイルドケア事業買収へ投融資を行った際の投資フロー
③ オーストラリアにおけるリース担保事情
④ 買収資金貸付、担保設定、利息支払いフロー
⑤ チャイルドケア事業買収契約と譲渡のフロー
⑥ チャイルドケア事業に関わるメンバープロファイル
⑦ 運営中のチャイルドケア事業のご紹介
⑧ チャイルドケア事業の主なリスク
業界の現状と今後の見通し
① チャイルドケアビジネスの現状
② 市場に影響を与え得る主な外部要因
③ 業界における企業形態
④ 需要の決定要因
⑤ ビジネスを成功させるためのポイント
⑥ 業界の今後の動向
Play & Learnとは
Play& Learnの教育アプローチとその適用事例
レッジョ・エミリア・アプローチの特徴
レッジョ・エミリア・アプローチの哲学
オーストラリアのレッジョ・エミリア
レッジョ・エミリアで用いられる原則とその適用事例
THRASSとは
THRASSの有効性とその適用事例
親子留学プログラム「Hello Kids」
「Hello Kids」とは
現地センターのご紹介
センターでの1日の過ごし方
先生の子どもへの接し方に関する日本との違い
コレクティブな遊びと学び
現地でのおすすめアクティビティ
Triple Pとは?
ポジティブな子育てのための5つのステップ