グローバルスカイ・エデュケーションでは、世界最先端のさまざまな教育手法を取り入れ、これからの時代に必要な人材を育成するべく取り組んでいます。オーストラリアで展開する弊社のアーリーラーニングセンター・チャイルドケアセンターにおいても、現地の恵まれた環境を存分に駆使しながら、子どもたちの学びを支えるハイクオリティなサービスとプログラムをご提供しています。ここでは、各センターで実際に実践されている教育手法とその事例についてご紹介をしていきたいと思います。
Play & Learnとは
オーストラリアの幼児教育の現場においては、前述したNational Quality FrameworkとEarly Years Learning Framework(EYLF)という学習フレームワークに沿って、子どもたちの学びを支えるためのプログラムや環境を整備することが求められます。
その中でも中心的な概念として置かれているのが Play & Learn というコンセプトです。これは、子どもたちは「遊びをベースとした教育プログラム」の体験を通じて、最も主体的に学ぶことができるという考え方です。
Play&Learnの教育アプローチとその適用事例
ここで言う、「遊びをベースとした教育プログラム」とは、下記の考え方やアプローチを反映した教育方針のことです。
子どもたちが新たな発見や創造を行いながら学ぶことができる機会の提供
個性や独自表現のサポート
好奇心や創造性などの積極的な学習姿勢の促進
子どもたちが過去の経験と新しい学習を結びつけるための支援
子どもたち同士の関係性や概念の理解促進
多様性の尊重への理解促進及び健康と幸福感のサポート
では、これらについて実際に各センターで行われている取り組みについて見ていきましょう。日本の幼稚園や保育園で行われている取り組みと比較をしながら見て頂くと興味深い違いが見て取れることと思います。
子どもたちが新たな発見や創造を行いながら学ぶことができる機会の提供
私たちのセンターでは、子どもたちに「気をつけて」と注意する代わりに、リスクのある遊びに含まれるベネフィットを考え、冷静なサポートをするように心掛けています。
リスクのある遊びとは、新たな挑戦や自分の限界へのチャレンジであり、子どもたちの好奇心を解放した自然な遊び方の一部です。
これは彼らにとって新たな発見や創造を行うための探索の機会であり、スリリングでエキサイティングな活動です。
もちろん、私たち教育者は子どもたちを危険から守るように細心の注意を払いますが、彼らに新しい体験や挑戦をする自由を与え、必ずしも100%安全とは言えない領域に踏み込む機会を提供することも必要であると考えています。
参考リンク
私たちの庭に舞い降りたこの天使を見てください。
この機会を利用して、独特の色や脚の数、何を食べているかの仮説など、蝶についての知識を深めました。
子どもたちは、「蝶は最初はイモムシから始まるんだよね」などと会話をしていました。その結果、子どもたちは「お腹をすかせたイモムシ」の話を共同ですることになりました。
今日は、ガーデニングと植物のお世話をみんなでする日。
幼児期にガーデニングを体験し、自然や生き物と触れ合うことは、子どもにとって下記のようなメリットがあります。
感覚の発達
健康的な食事の促進
責任感と忍耐力の育成
社会性の育成
2. 個性や独自表現のサポート
少しばかり洋服や教室が汚れてしまうことを、気にしすぎる必要はありません。
自由に工作を楽しむことは、子どもたちの心と体を育むためには必要な機会です。
こうした取り組みによる創造力の向上に比べれば、多少の絵の具の汚れなどほんの些細なことに過ぎないのです。
シニア・キンディ・クラスの子どもたちは、細かな動きや感覚を問われる遊びが大好きです。
感覚を問われる遊びとは、触覚や嗅覚だけでなく、味覚や運動、バランス、視覚、聴覚など、幼児の五感を刺激するあらゆる活動を指します。
こうした感覚を利用したプログラムは、子どもたちが遊び、創造し、探求する中で、科学的な視点を自然と身につけることができるのです。
自分の感情を探ってみよう!
幼少期の子どもたちは、自分の感情をうまくコントロールすることができないことがあるのは当然です。
このような時は、周囲のサポートが非常に重要です。
私たちのセンターでは、物語や小道具、歌などを活用しながら、今どんな気持ちや感情を自分が持っているのかを理解するためのプログラムを行いました。
皆様のご家庭においても、どのようにお子さんをサポートされているか、ぜひお聞かせください。
3. 好奇心や創造性などの積極的な学習姿勢の促進
私たちのセンターに併設されている広々とした屋外環境では、子どもたちは存分に自然を探索することができます。
こうした機会を通じて、彼らは好奇心の赴くままに身体を動かし、創造力を養い、新たな発見を行うことができるのです。
アイス・ペインティングは子どもたちに大好評です。
色のミックスによる変化を観察したり、自由にパターンを描いてみたり、ツルツルとした冷たい絵の具の質感に驚きながらも、彼らは興奮を隠せない様子でした。
このアクティビティは、手先の細かな感覚を養うための運動としても効果的で、彼らの身体性の向上に役立つものと考えています。
4. 子どもたちが過去の経験と新しい学習を結びつけるための支援
Robina Town Centreの子どもたちは、新しく設置されたSTEM学習スペース「ライトテーブル」に夢中です。
カラフルな磁石を使って、光がどのように作用するのかみんなで一緒に調べてみました。
普段何気なく目にしている光について、こうした道具を用いてその仕組みや作用について体感することで、彼らの理解も深まったようです。
同時に新たな興味や疑問も抱いたようで、こどもたちにとっては学びの大きい時間となったようです。
子どもたちは、ペイントをして楽しく遊びつつ、歯の手入れの重要性について理解を深めることができたようです。
彼らの歯を健康的に保つ習慣作りの一環として、歯ブラシを使って歯に付着した細菌を磨くというゲームをしてみたところ、子どもたちは非常に熱心に取り組んでくれました。
地域の皆様、ぜひご協力お願いします。現在私たちのセンターでは、子どもたちとともに建築物や建設についての探求を行うプロジェクトを実施しています。
この遊びを通じた学習環境を整えるため、リサイクル素材の寄付をお願いしています。
子どもたちは、この新たな取り組みを通じて、問題解決の仕方や、実験、仮説の検証、調査を行い、自ら能動的に学ぶことの大切さとその姿勢を身につけていくことができると私たちは考えています。
5. 子どもたち同士の関係性や概念の理解促進
キンダーガーテン・クラスの子どもたちに、「愛」とは何か、誰に、どのように「愛」を示すことができるかを尋ねました。
すると子どもたちからは、「お友達に親切にすること」「分け合うこと、思いやること」など、様々なアイデア出てきました。
これらをボードに書き出してみたところ特徴的だったのは、子どもたちは皆自分の家族を愛していることを表現していたことです。
幼少期に芽生える友情は、アーリー・ラーニング・センターに通う子どもたちの成長にポジティブな影響を与えます。
子どもたち同士の友情は、情緒面やソーシャル・スキルの向上の他、自らのアイデンティティと周囲のコミュニティへの帰属意識の形成に寄与します。
6. 多様性の尊重への理解促進及び健康と幸福感のサポート
子どもたちが自分の住むコミュニティへの帰属意識を持ち、自らのアイデンティティを自覚できるようにするため、私たちは地球儀を使って彼らに問いかけてみました。
「あなたはこの世界のどこから来たの?」オーストラリアは、様々な価値観を持つ人々が暮らす、多様性溢れるマルチカルチャーの国です。
この機会を通じて、彼らが自分と周囲の人々や文化とのつながりに少しでも関心を高めることができたなら、私たちスタッフにとってこれほど嬉しいことはありません。
Mt Archer Early Learning Centreでは、子どもたちに健康的な食事を提供することを大切にしています。
子どもたちは自分たちの手で新しく設置された「フード・プレップ・ステーション」を使って冷蔵庫からランチボックスを取り出して食事をし、食べ終わった後のお片付けや手洗い、ゴミの処分までを自分でできるように練習をしています。
今日は先生と一緒にヨガレッスンに参加した子どもたち。
ヨガは身体的な柔軟性を養うだけでなく、力強さや協調性、そして自分の身体に対する意識の向上にもつながります。
また、多感な子どもたちの集中力や落ち着きを高め、リラックスした気持ちにさせてくれるのです。
目 次
国際色溢れるインターナショナルな環境
国際的に競争優位な幼児教育システム
欧米諸国よりも経済的な生活コスト
幼児の脳の発達に有効な英語学習
子どもたちはみんなオーストラリアが大好き
クリエイティビティが向上する
自己肯定感が高まる
新しいスキルが身に付く
日本への感謝の想いが深まる
「褒めた理由を伝える」
「リスクをとらせる」
「子ども自身に判断をさせる」
「お手伝いをさせる」
「子どもの好奇心を解放する」
チェックリスト
日本と西洋の子供たちとの比較
高まる”遊びと幼児教育”の重要性
「2035年」の世界で求められるもの
オーストラリアの幼児教育が注目されている理由
政府による教育・サービス品質の確保
幼児教育制度の発展とNQFについて
子どものアイデンティティ形成に重要な「帰属・存在・生成」
政府によるチャイルドケアサポート
日本の幼稚園・保育園との違い
子どもの個性とチャレンジを大切にするアプローチ
オーストラリアの幼稚園や保育園の仕組み
その他のチャイルドケアサービスの種類
オーストラリアの義務教育・高等教育
年代別の教育制度と義務教育について
プライマリースクール(小学校)が始まるタイミングは?
National Quality Standard
① NQSを構成する7つの領域
② 評価制度と品質の格付け
③ 各Quality Areaについて
EYLF(Early Years Learning Framework)
① EYLFとは
② 中心となるコンセプト
③ フレームワークの構成要素
④ 5つの原則
⑤ 実践プロセス
⑥ 期待される学習成果
Certificate Ⅲ(概要)
① 概要
② 学習コースへの参加要件
③ コースに含まれる学習項目
Diploma(概要)
① 概要
② 学習コースへの参加要件
③ コースに含まれる学習項目
オーストラリアにおけるチャイルドケア事業発展の背景
① 社会インフラとして位置付けられたチャイルドケア事業
投資観点から見るチャイルドケア事業
① チャイルドケア事業の概要
② 投資家がチャイルドケア事業買収へ投融資を行った際の投資フロー
③ オーストラリアにおけるリース担保事情
④ 買収資金貸付、担保設定、利息支払いフロー
⑤ チャイルドケア事業買収契約と譲渡のフロー
⑥ チャイルドケア事業に関わるメンバープロファイル
⑦ 運営中のチャイルドケア事業のご紹介
⑧ チャイルドケア事業の主なリスク
業界の現状と今後の見通し
① チャイルドケアビジネスの現状
② 市場に影響を与え得る主な外部要因
③ 業界における企業形態
④ 需要の決定要因
⑤ ビジネスを成功させるためのポイント
⑥ 業界の今後の動向
Play & Learnとは
Play& Learnの教育アプローチとその適用事例
レッジョ・エミリア・アプローチの特徴
レッジョ・エミリア・アプローチの哲学
オーストラリアのレッジョ・エミリア
レッジョ・エミリアで用いられる原則とその適用事例
THRASSとは
THRASSの有効性とその適用事例
親子留学プログラム「Hello Kids」
「Hello Kids」とは
現地センターのご紹介
センターでの1日の過ごし方
先生の子どもへの接し方に関する日本との違い
コレクティブな遊びと学び
現地でのおすすめアクティビティ
Triple Pとは?
ポジティブな子育てのための5つのステップ